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飲食店、料理教室のお客様へ

「えっ、こんなに苦いの?」「初めて見たなあ!」「こんな風に育ってるんだね」

私たち農家が、飲食店で提供されている一皿の美しさや、素敵なマリアージュ をリアルタイムで知らないように、

飲食店の方も、素材が育つ現場のビックリを、リアルタイムで実感することは稀なのでしょう。

飲食店に各々の「レシピ」があるように、農家にも作物ごと、季節ごとに「レシピ」があります。「レシピ」に従えば、農作物もそれなりのレベルで「同じ」味が再現できる!

・・ならいいのですが、正直なところ、かなり「ばらつき」がでます。

コロナ禍までは、いかに「ばらつき」を平準化し、管理するか。定時定量定価定品質。
安定供給というニーズに応えていかねば、と私なりに奮闘してきました。

レシピもかなり精度が上がった!?・・気がします。

でも、まあ、今となっては・・・

「いやいや、そんなのムリだからww」

ある意味で「良い加減」に吹っ切れました。

いささか使い古された感のある、

「久野さんちの朝どれ野菜」や「シェフの気まぐれサラダ」・・・

これで、いいじゃん。いや、これこそが!いいじゃん。

色や形、味が同じだから、作業の生産性が上がる。笑笑笑!

そうかもね、ふんっ。痛いね、過去の自分・・・。

農業を始めて30年がもうじき見えてきます。いろんな経験をして、きつい時代ばかりだったような気もしますが、好奇心、驚きは今でも消えない。

「食べる」という原始的なこと、これこそが真の「クリエイティブ」なんだいな!

いささか照れも感じながら、そう密かに畑で呟くのです。

種が芽を出し、育ち、食べる。仲間と酒を呑み交わし、笑い、涙を流す。良きことも悪き事も、かっこよさも惨めさも、共に味わい時を過ごす。

「同じ」ではないバラツキにこそ滋味が現れる、人も野菜も。そんな「場」が私は大好きです。

残念なことに、調理に時間がかかる野菜はスーパーで手にとってもらいにくい時代になりました。調理方法、素材を見る目、扱い方、道具の使い方、これらは家庭だけでは伝わりきらない社会です。

願わくば、飲食店の方の力をお借りして、畑のビックリ、素材のビックリ、食べることのビックリを共に味わいたい。

「一緒に食べよう、一緒に学ぼう、一緒に楽しもう」

飲食店の方々と共に、そのようなお付き合いができれば、望外の喜びです。

そうは言ってもどんな味なの?

「優しい味」「野菜本来の味」そのような感想をいただくことが多いです。
一昔前までは、濃い味、濃厚な味、と表現されることが多かった気がします。
農園の場所が変わったり(農園の沿革)、育て方が変わったり(栽培方法)、あるいは自分自身が変化したからでしょうか。

天候は無論、大きな影響を及ぼします。近年、気象の変化が激しく、味や品質にも影響があります。
ただ、味や品質は、「安定供給」よりは変化が少ないようです。
無理な時期に安定供給を目指す作型では変化も大きいですが、旬の時期に、その作物、品種に適した育て方をすれば、すんなり育ち、それなりに味わい深い野菜に育ちます。
当たり前のようでいて、私にとっては再発見かもしれません。「作り出す」「生産する」よりも、やっぱり「育つ」がしっくりくる。それでいいのでは、それがいいのでは。今の私はそう感じます。

また、土質もかなり影響します。小川町の圃場は粘土質で、雨が降るとガチガチに固まるような土質です。本来、米麦や大豆、果菜類などに向いた土質です。そのままでは根張りが悪いので、ドカドカと肥料分を入れた方が短期的には生育が良くなります。(昔はそう育てていました。)根は十分に張らないながらも、すぐそこに肥料分があるので、さしあたり育っていたということなのでしょう。そのような育て方をすると、肥料の素材の影響が味に直結します。わかりやすい味になりがちです。しかし、大豆、果菜類は比較的長い栽培期間を要する作物ですので、中長期に根が張るような環境整備をするように変えました。(肥料分のほとんどない植物性堆肥をしっかり投入する、深耕する、固定畝を作り耕運回数を減らす等)・・・次第に肥料なしでもしっかり育つようになりました。もともと、土の持つエネルギーは強いので、すんなりしていながらも、比較的個性的な味になりやすいです。

一方、寄居町の圃場は火山灰土に近い軽い土質です。葉物、根菜が作りやすく、野菜栽培に適しています。このような土壌では、誰が育ててもそれなりの「形」になりやすい。しかし、欲に任せて均一的な規模拡大(単一作、連作)をすると、たちまち病気が多発します。また、肥料で育てようとすると、これまた病虫害が多発します。味は、どういうわけか特徴のない薄い味になりやすいです。野菜を育てるというよりも、根が育つ土壌環境を整える。その方が滋味のある野菜が育ちます。
根が張りやすい土質であっても、「微生物や根を取り巻く環境を無視しては美味しい野菜は育たない。」・・・そういうことなのでしょう。ずいぶん失敗を繰り返しました。

23歳で農業を新規に始めて、沖縄、小川町、寄居町、それぞれ全く異なる環境でそれなりの年月をかけて栽培を続けてきました。「俺の野菜」「俺の栽培」「俺の農法」から、環境、生態系に適合していく方向にシフトチェンジしつつあるのかもしれません。それなりの「論理」や「レシピ」がないわけではないですが、正直わからないことの方が多いです。わかっていてもできない事もたくさんある。

それぞれの土地、圃場にテロワールがある。テロワールには「俺」の影響が多少はある。物事には因(原因)があり、それに縁が作用して生起(物事/結果が起こること)する。味の違いは、単なる因果関係ではなく、仏教語で言うところの「縁」のようなものじゃあないか。そんな風に私は思います。

言葉が過ぎるあたり、まだまだ若僧なのでしょう。まずは、今現在のテロワールを味わっていただければ。

(農産物の味については、震災前に参加した野菜と文化のフォーラム主催の野菜の学校で多くを学びました。市場関係者、バイヤー、飲食関係の方が多く参加する場で、その後の方向性に大きな影響を受けました。感謝と共にここに記します。)

お届け方法につきまして

飲食店さま向け イチオシ野菜セット、飲食店さま向け 基本の野菜セットや旬の単品野菜などがございます。
それぞれオンラインショップよりお申し付けください。

農園見学等につきまして

仕入れをご検討の場合等で直接ご来園いただく際は、こちらよりお問い合わせください。
(事前調整なくご来園いただくことはお断りいたしております。)
お取引のないお客様の農場見学は、原則として1団体1箱から承ります。(1箱詰め放題8,000円)

品目はその時収穫可能な品目からご自由にお選びください。
農園を巡り、収穫していただきます。(およそ1〜2時間程度)

ご注文の流れ

(1)サンプル
サンプルをご希望の場合は送料(クール便手数料込850円)と
サンプル商品代(1品目一律300円)をご負担いただいております。

FAXにてサンプル野菜のご注文を承ります。
↓ FAX注文用紙ダウンロードは下記をクリック。↓
【小売店、飲食店のお客様用】季節の野菜サンプル FAX注文用紙

(2)出荷可能野菜のリストをお届け
毎週水曜日に、翌週の野菜リストを各お客様にFAXまたはメールでお送り致します。

(3)ご注文
お届け希望日の3日前18時までに、翌週のご注文分を野菜リストにご記入の上、弊社にお送りください。
1週間分の注文も承ります。

(4)お届け
ヤマト運輸の宅配便にてお届けいたします。
※送料はご負担いただいております。
送料は地域や箱のサイズにより変動いたします。

ヤマト宅配便送料

ヤマト宅配便送料

年間栽培カレンダー

一年を通して栽培している野菜はおおよそ下記の通りです。
栽培品目に関して、その年により多少の変動はございますのでご了承ください。

年間栽培カレンダー

年間栽培カレンダー

※天候不順、病気や虫害の発生、注文が集中した場合など、欠品や数量不足となる可能性がございます。
何卒ご理解いただきますようよろしくお願いいたします。

お問い合わせご注文はこちらからどうぞ

メール:info@kunofarm.com
FAX:050-3730-7045